研究概要 |
本研究の目的は、英語の変種のひとつであるイギリス英語の現在の姿を英語学・社会言語学あるいはコーパス言語学の視座から考察することにより、イギリス英語の現在の有り様の特徴を明らかにすることである。とくに英国のイングランド地方で最近、イギリス標準英語(Received Pronunciation)に取って代わるべく浸透してきた河口域英語(Estuary English、以下EEと略す)に焦点を当て、イギリス英語を明らかにする。つまり、現在の英国における英語のありのままの姿をその社会構造の変化との関係で明らかにする。今年度予定していた研究計画に従い、これをほぼ予定通り遂行し、以下のような実績を上げた。 1.研究の成果の一部、とくにイギリス英語の現在の姿についての論考をアジア辞書学会2005年大会(National University of Singapore,平成17年6月1-4日)にて発表した 2.研究の成果の一部をEdinburgh大学国際英語学会(Edinburgh大学,2005年6月23-26日)にて発表した 3.EEの実態調査のため平成17年8月18日より9月12日まで英国へ出張。英国内で方言調査を実施。同時にLondon大学University College Londonにて、海外共同研究者のJenkins, Rosta, Gisborneの各氏とworkshopを開催。英国滞在中に、LAGB(英国言語学会)2005年度年度次大会にも参加し、(予備)研究の成果の一部を口頭発表した 4.研究成果の一部を、当初予定の口頭発表ではなく、代表者が編集した編著書『変容する英語』(平成17年7月刊行)の中の第5章で公表した 5.EEの拡散を説明しうる社会言語学理論、英語の変種、社会言語学についての公刊・未公刊の基本的文献を国内・英国で精力的に収集した
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