研究概要 |
本研究の目的は、英語の変種のひとつであるイギリス英語の現在の姿を英語学・社会言語学あるいはコーパス言語学の視座から考察することにより、イギリス英語の現在の有り様の特徴を明らかにすることである。とくに英国のイングランド地方で最近、イギリス標準英語(Received Pronunciation)に取って代わるべく浸透してきた河口域英語(Estuary English、以下EEと略す)に焦点を当て、イギリス英語を明らかにする。つまり、現在の英国における英語のありのままの姿をその社会構造の変化との関係で明らかにする。今年度予定していた研究計画に従い、これをほぼ予定通り遂行し、以下のような実績を上げた。 1. EEの実態調査のため平成19年9月5日より9月26日まで英国へ出張し、英国内で方言調査を実施した。同時にLondon大学University College Londonにて、海外共同研究者のProf.Jenkins,Gisborne,Rostaおよび恩師のProf.R.A.Hudsonの各氏と過去2年間の研究を総括するためのworkshopを開催した。これらの活動の成果は、国外、国内での口頭発表のための論文の作成、研究成果報告書をまとめるのに大いに役立った。英国滞在中、Polandへ足を伸ばしPoznanの学会で研究の一部を発表したが、発表内容について的を得た質問を受け、結い意義な議論を聴衆と行うことができた。 2. 研究成果の一部を、38th Poznan Linguistic Meeting(PLM2007)、英語語法文法学会第15回大会、神戸言語学研究会で口頭発表した。3. 研究成果の一部を、単行本Yoshihiko Ikegami,Viktoria Eschbach-Szabo & Andre Wlodarczyk,&(eds.).Japanese Linguistics European Chapter、学会誌『六甲英語学研究』No.10、査読ありの学内紀要『京都府立大学学術報告』に発表した。 4. 研究成果報告書を執筆し脱稿した。
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