研究課題
基盤研究(C)
生成文法理論では、自然言語の均一性と多様性を説明する普遍文法モデル構築を重要な目標として従来様々な取り組みが成されてきた。そうした取り組みの一つとして、最適性理論に基づいた普遍文法への個別的アプローチがある。これらの研究では、疑問詞移動とそれに伴う補文標識内での統語現象、及びその言語差異に関しても様々議論されてきているが、統一的な説明が与えられるという状況にはない。また、特定の文法現象は説明されてはいるが、詳細な共時的・通時的調査に基づいて、言語の多様性を説明するための普遍文法の中に統合し得るかどうかは検討されてはいない。補文標識の体系で観察される文法現象は、他の様々な構文・現象にも共通する特徴があり、これらを重点的に調査・研究を行うことで、従来別個に扱われ、且つ断片的に説明されてきた諸現象に対しても、統一的視点により有機的説明が可能になる。本研究は、これまでの研究をさらに発展させ、従来補文標識の体系内で問題とされてきた現象や、wh移動に伴う付随現象を取り上げ、それらに関する詳細な調査データを基に、帰納的に抽出した制約の相互作用が、他の構文や例外とされた現象にも作用することを示し、通言語的変異の可能性がどこに由来するか検討するとともに、そこに働く文法原理が他の諸現象といかに関わるかを明確化した。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)
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