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2005 年度 実績報告書

古英語詩の語順決定要因に関する実証的研究および電子コーパスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17520339
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福島工業高等専門学校

研究代表者

鈴木 敬了  福島工業高等専門学校, コミュニケーション情報学科, 助教授 (70254886)

キーワード英語史 / 統語論 / 古英語 / 頭韻詩 / 電子コーパス / 助動詞の語順 / 英語学 / 語順決定要因
研究概要

英語史上の定説として格の消失が語順の固定化(SVO化)につながったとされているが、格の表示があいまいである節においても語順の多様性が見られる事実は従来の「あいまいさを避ける原理」では十分説明できないことを示している。語順の変化要因の解明の一環として、語順の多様性が見られる節においてどのような語順決定要因が働いているかの解明が必要になる。そこで初期古英語から初期中英語までの各共時的段階における語順決定要因の解明を試みた。古英語は特定の語順が好まれるという点では同質であるが、語順決定要因は異なっており初期古英語ではOVの傾向が強く‘heaviness'の要因は働かない。その後、後期古英語に入り‘heaviness'の作用がみられるが、再び、初期中英語期にはVO化が進みその作用は見られない。このことは表面的な語順の分布は各時期で同じでも、その語順決定要因は変化していることを示している。したがって‘heaviness'は12世紀に基底語順がOVからVOに変化するきっかけを助けたものと思われる。今年度の本研究の研究意義は特に詩における語順決定要因の解明である。従来の詩に関する統語研究はほとんどなく、少数の研究においても詩の特徴である頭韻の作用は無視されてきた。本研究では詩の文体的影響をほとんど受けない助動詞と非定形動詞補語の語順に着目し、その語順決定要因の解明を試みた。その結果、詩の特徴である頭韻が最も重要な語順決定要因となっていることが判明した。すなわち、第一半行内で助動詞(A)、不定詞補語(V)が共起し、かつのみが頭韻する時は圧倒的にVA語順の傾向が見られ、第二半行内に共起する場合もVのみ頭韻する時、VA語順となる。一方、半行内で共起する場合でもA,Vがともに頭韻しないなど他の頭韻パターンの場合にはAV語順となる。またA,Vが半行を超えて現われる場合AV語順となり、VA語順は決して現われない。この結果は今後の古英語詩における統語的研究の更なる解明につながるものと思われる。さらに電子コーパス構築の分野においても詩の形式を取り入れたコーパスを作成する必要性を示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 図書 (1件)

  • [図書] Word Order Variation and Determinants in Old English2006

    • 著者名/発表者名
      鈴木 敬了
    • 総ページ数
      158
    • 出版者
      東北大学大学院情報科学研究科提出博士論文

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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