2005年度は以下のように研究を進めた。 1.記述対象の選定 複合助詞として何を調査の対象として記述するかを、教育における重要度や研究代表者・分担者の関心から以下の12形式とすることを決定した。 「によって」「に対して」「を通して」「を通じて」「にあたって」「に際して」「をもって」「について」「に関して」「をめぐって」「にかかわらず」「を問わず」 2.コーパスの構築 研究代表者が所蔵していた小説データ、談話資料にあわせて、新聞のデータベース(毎日新聞、朝日新聞、読売新聞)を購入し、また談話の補助資料としてシナリオ集、大学の講義の論音をテキストデータ化してコーパスを作成した。 3.データベースの整備 上のコーパスから複合助詞を抽出し、データベース化した。具体的にはコーパスに対しプログラム言語を用いて検索した上で、過剰に検索したものを除外していった。その後、それぞれの先行研究を整理した上、記述の方向を決め、各自に割り当てられた複合助詞について、データベースにどのような情報をつけくわえていけばよいかを検討した。各複合助詞のとりうる形態、各要素間の関係(たとえば「NについてV」ならNとVにそれぞれどのようなものが来るか、それによってどのように意味が変わるか)などについてデータベースに情報を付け加えていった。 4.複合助詞の意味・用法の記述 複合助詞のデータベースをもとに複合助詞の意味・用法を記述していった。
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