研究課題/領域番号 |
17520358
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
中山 惠利子 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (60299021)
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研究分担者 |
陣内 正敬 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (70154424)
桐生 りか 国立国語研究所, 研究開発部門第一領域, 研究補佐員
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キーワード | 日本語教育 / カタカナ教育 / 外来語 / カタカナ文字 / カタカナ語 |
研究概要 |
本年度は、「日本語教育におけるカタカナ教育」の実態調査を大学や日本語学校等の日本語教育機関(回収数58)、および日本語教師(同213)、日本語学習者(同479)への3者に対し実施した。その結果、日本語学習者の約8割が「カタカナ語がわからなくて困った」ことがあり、6割が日本語の授業でカタカナ語を「もっとしっかり教えてほしい」と思っているのに対し、日本語教育機関の8割が教育目標を決めておらず、自身の教育が「不十分である」とする日本語教師は7割近くに上り、その理由を「時間がないためにきちんと教えられない」とする教師が8割弱いることが分かった。このことは、日本語教育現場ではカタカナ教育に力が入れられていないという実態を示唆している。また、カタカナ語を教える際に専用教材を使用したことのある教師は少なく、多くは教材に出現するカタカナ語を教えるのみであるのに対し、新聞やニュースが分かる程度のカタカナ語を教えてほしいとする学習者が多いことも分かった。来年度は実際にどのようなカタカナ語がどのように教えられているのか、について教材等の文献における教育カタカナ語の実態を調べる予定であり、それに向けて文献の入手ならびに電子データ化に着手した。 なお、本年度の調査結果は、学会誌等に報告する予定で現在執筆中である。また、3月に行われた国立国語研究所平成17年度日本語教育短期研修第5回の中山・桐生他の講義「日本語学習者が新聞を読むための基本外来語の選定」において引用した。 さらに、2月に東京からカタカナ教育の専門家を招き、その豊富な実践経験から今後のカタカナ教育の方向性などについて多様な知見が得られた。
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