研究概要 |
今年(平成18)度は,本研究期間以前から開始していた言語研究における理論と応用の相互関係,言語使用の理論的位置づけ,言語教育の理論的枠組み等に関する考察を、本研究期間の研究内容(IT教材)に連関させて、成果としてまとめた。 また,前(平成17)年度に作成したドイツ語IT教材を、具体的な使用などを通して幾多の改善を行った。その主な一つ,自動正誤チェック,音声コンビネーション,文法説明とのリンクなどがより便利に使用できるようにしたことである。 本IT教材の訓練事項は,基本文例,動詞人称変化,名詞句格変化であるが,さらに,練習内容の検討と,説明教材のコンテンツの整理・作成を終了し,PDFファイルとして,訓練教材にリンクした。 なお,練習問題の訂正が随時可能なものとする電子教材ならではの問題設計コンセプトも実現した。 学習者達成度管理システムに関しては,その実現に適した教材開発が必要であるとの知見に基づき,パイロットモデル版の開発を行った。 日本におけるドイツ語教育に関する情報収集も行った。ドイツ語教育の実情(学生が求める技能ニーズ,学習目標レベル、言語運用の目的、教材内容への要求、学習メディアの選択、学習ツールの興味の度合い等)に合った教材開発の方向性に関して各種考察も行った。全体として,ドイツ語研究の成果を応用しつつ,IT技術によって,言語形式の定着訓練における学習の効率性を高める目的のため,ドイツ語教育改善のための一定の道筋を拓くことができた。
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