研究課題/領域番号 |
17520371
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
WEAVER Chris 東京農工大学, 本部, 外国人教師 (50345336)
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研究分担者 |
佐藤 容子 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (30162499)
ROMANKO Rick 東京農工大学, 本部, 外国人教師 (60345337)
船倉 正憲 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (60040507)
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キーワード | 評価尺度 / 評定尺度 / 大学入試 / ラッシュ測定理論 / 項目難度 / 項目要求度 / 項目ターゲット化 / カットポイントターゲット化 / 読みやすさ指数 |
研究概要 |
平成18年度は、互いに関連する三つの問題について調査研究を行った。第一に、ラッシュ測定理論は、大学入試の英語学力検査においてより優れたパフォーマンスを行う評価(評定)尺度を開発するために、どの程度助けとなるかという問題について調査した。入試に用いられた評価尺度はラッシュ・モデルのすべての期待を満たしているわけではなかったが、英語コミュニケーション能力の有意味な連続体をうまく定義できていた。さらに、異なる評価尺度に割り当てられた評定のための段階の数と、人を紹介するスピーチに要求される様々な要素との適合性が、それぞれの評価尺度がラッシュ・モデルの期待をどの程度満たすかという点を決定するのにかなり大きな役割を果たしていたことが明らかになった。第二に、様々なタイプのテスト項目と評価尺度が、四年間に渡りどのようなパフォーマンスをみせていたかを調査した。この経年変化の分析によって、受容的な力(理解力)をみるテスト項目よりも、表現力をみるテスト項目の方が、受験者の全般的な英語力にうまくターゲットを絞る問題となっていたことがわかった。その上、表現力をみる問題は、入試で合格とされるためのカットポイントと想定される付近に、より一貫性をもって配置されていた。受験者の英語力を評価するにあたり、表現力をみるテスト項目の多くは評価尺度を用いるため、このような知見は、質の高い評価尺度の重要性に光を当てるものである。第三に、大学入試の英語学力検査に用いられた英文難度の推定値と、実際の難度との関係について調査を行った。その結果わかったのは、幾つかの種類の「読みやすさ指数」ならびに英文の語彙レベルに基づき推定した英文レベルの難度と、それらの英文の設問の実際の「項目難度」との間には有意味な関係性はなかったということである。しかしながら、異なるタイプの評価尺度を用いているテスト項目間には有意味な差異が見出された。
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