研究概要 |
本研究では,外国語活動が導入されるまでの経緯や背景を明らかにした。また,本研究の進展と歩調を合わせるように,新しい学習指導要領の改訂作業が進み,本研究の最終年度に当たる平成20年3月には新しい学習指導要領が告示された。本報告書においては,当初予定はしていなかったが,学習指導要領の検討にかなりのページを割くことになった。これは,現場のニーズを考えた上での判断であった。言語習得の観点からも,先行研究に言及しながら論じた。言語習得を目標にしない英語活動であっても,実際には音声面の言語習得が起こっていること明らかにした。海外でも国際化の進展とともに,外国語教育の改革が進んでいる。スペイン,フランスの外国語教育やアメリカの日本語イマージョン教育についてもその実情を報告した。両地域の外国語教育は今後の日本の外国語教育に大きな示唆を与えるものである。沖縄の小学校の英語教育については,その歴史を振り返り,現在の那覇市と浦添市の状況を詳細に検討した。本研究で得られた知見をもとに,沖縄県においては,(1)さらに小学校の英語教育を充実させていく必要があること,(2)中学校の授業改善が必要であること,(3)地域の特性を生かして外国人との交流活動を促進する必要があること,(4)地域の実態に合わせたイマージョン教育の研究が必要であること,(5)第二外国語として中国語や韓国語を学習する必要があること,(6)アジア語学教育政策研究機関の設立が必要なことなどを提言した。
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