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2006 年度 実績報告書

日本人英語学習者による属格の'Sおよび ofの習得

研究課題

研究課題/領域番号 17520386
研究機関中央大学

研究代表者

若林 茂則  中央大学, 文学部, 教授 (80291962)

キーワード日本人英語学習者 / 属格 / 形態素 / 母語の影響 / レベル / 統語
研究概要

本年度は文献研究と同時に、学会での資料収集、および、学習者コーパスデータに基づく研究を行った。
1 言語理論の文献研究の結果、日本語の格助詞は英語の前置詞に相当するという考え方があることがわかった。これが正しければ、統語的な観点から見れば、日本語の「の」は、名詞句の統語的主要部(D)に位置する」-'sとは範疇が異なり、前置詞ofと同じということになる。一方、格助詞がDであるという考え方もある。この考えによれば、'sと「の」が同じで、ofは異なることになる。
2 言語習得の文献研究については、Shirahata(2001)が、日本人英語学習者が日本語の「の」の仕組みを英語の'sに当てはめて使用する誤りが見られることを報告していた。一方、日本語話者のofの使用について詳しい研究は見つからなかった。
3 実証的研究として、本年度前半は、本研究に関連する分野のうち、日本人英語学習者の屈折の仕組み、文産出の仕組み、ならびに名詞句の解釈に関する研究を行った。後半は和泉絵美他(2004)の発話コーパスについて、'sに関する分析を行った。そこから、学習者のレベルがかなり低い場合(SSTレベル1)では、'sの生産的な使用は見られないこと、レベルがある程度上がると(レベル3)'sの使用は爆発的に増えるが、さらにレベルが上がると(レベル5)その使用頻度は下がること、ならびに、'sが頻繁に使用されるレベルでは、誤りも多く、母語の影響のほか、母語には起因しない誤りも見られることが明らかになった。
4 来年度は、コーパスで見られた誤りと言語理論に基づく予測を組み合わせて課題を作り、実験を行ってデータを収集し、それを下に第二言語習得研究モデルの検証を行い、本研究のまとめを行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Processing mechanism underlying the production of English past tense inflection2006

    • 著者名/発表者名
      Wakabayashi, S., Lee, M-W., Lee, B.P.H.
    • 雑誌名

      The 5th Pacific Second Language Research Forum 2006 1

      ページ: 38

  • [雑誌論文] Production of simple wh questions by Japanese learners of English2006

    • 著者名/発表者名
      Wakabayashi, S., Kubo, A., Shibuya, M.
    • 雑誌名

      The 16th Annual Conference of the European Second Language Association, Book of Abstracts 1

      ページ: 43

  • [雑誌論文] Japanese EFL learners' interpretation of possessive pronouns2006

    • 著者名/発表者名
      Nakayama, M., Wakabayashi, S., Hosoi, H.
    • 雑誌名

      The 16th Annual Conference of the European Second Language Association, Book of Abstracts 1

      ページ: 109

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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