研究課題/領域番号 |
17520389
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
井狩 幸男 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60193158)
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研究分担者 |
田畑 雅英 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50171872)
添田 晴雄 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30244627)
福島 祥行 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20254378)
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キーワード | シャドーイング / ディクテーション / 速聴 |
研究概要 |
コンピュータ支援による外国語学習についてはさまざまな取り組みが行われているが、われわれは、とりわけ音声を用いる学習法に着目し、大阪市立大学での2005年度後期授業において、全学共通教育科目の英語、フランス語、ドイツ語のクラスに対する実験を行った。 具体的には、学習者が耳にする音声の速さが普通の場合と少し早い場合とで学習効果に差があるかどうかを見るため、CALL教室における授業中にシャドーイングとディクテーションを毎回10分程度実施した。その際、言語ごとに学習者を2つのグループ(実験群と統制群)に分け、それぞれ異なる速度(通常速度と速い速度)の音声を聞かせ、シャドーイングについては、被験者のシャドーイング音声を個別にデジタルデータとして記録した。また、学習効果を測るために、事前・事後テスト、およびアンケート調査を行った。 1セメスター間(約10回)の実験の結果、既修外国語の英語と、新修外国語のフランス語・ドイツ語では学習効果に差が見られた。英語の場合、実験群・統制群ともに事前テストよりも事後テストの結果が悪かったのに対し、フランス語・ドイツ語では、両群とも事前テストよりも事後テストの方が良いという結果が得られた。 上述の結果に関して、英語、フランス語、ドイツ語それぞれについて分析を行った。まず、実験を行う前に立てた仮説が支持されなかった理由を、事前・事後テストの結果、シャドーイング時の記録音声、ディクテーションの結果、アンケート調査の内容を基に分析した。次に、英語において両群とも事後テストの点が下がった原因と、フランス語とドイツ語においては両群とも点が上がった原因について分析した。そして最後に、両者の考察から、既修・新修で共通に作用する要因と、既修と新修で作用の異なる要因を分析し、それらが外国語学習にどのように関わるのかを考察した。
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