本研究の目的は「作業用共有データベースを利用し教員と学生、また学生同士が協力しながら学習を行える英専門書読解支援ソフトウェアの開発」を行うことである。具体的には、インターネットやファイルからのテキスト取り込み機能、テキスト解析機能(単語や文章の難易度など)、注釈の付加機能、辞書機能などすべての機能を統合化し学生による協調型学習を可能とするソフトウェアを開発する。このようなソフトウェアは我々が知る限り報告されておらず、今後の学部専門課程における英語教育に大いに寄与することが期待される。 この目的を達成するために平成17年度の研究計画として、1)語彙関連データベースの整備、2)テキスト解析機能の実現、3)学習支援機能の実現、4)マルチメディアデータベースの整備、の4つの項目についての研究目標を掲げた。これらの項目のうち1)と2)については、以前の研究においてその機能の一部を実現済みであったが、本研究ではその機能を改良し、ネットワーク対応のプロトタイプを作成した。3)については現在7割程度の完成度であり、平成18年度6月完成を目途に作業中である。4)については、データベースサンプルとして約70例の英語イディオム用コンテンツをアニメーション作成ソフトを用いて作成した。 本研究は2年計画であるが、上述したように平成17年度の研究計画の90%は達成できた。ただし、これらは分担して作成したこともあり、個々のシステムとしてテストしているのみである。平成18年度においては、学習支援機能の完成度を高めるとともに、全機能を統合化したシステムを構築し、さらにはより使いやすいシステムにするために、ユーザインタフェースに関する研究、インターネットへの公開するための実験用サーバの構築、システム全体の評価作業等を行う計画である。
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