研究課題
本研究では、日本人英語学習者の総合的な英語運用能力を効果的に伸ばす1指導形態であるフォーカス・オン・フォーム」を第二言語習得理論に基づいて開発すること、およびその効果を実証的に検証することを目的としている。特に異文化間交流として行われる内容重視の英語活動の中に組み込まれたフォーカス・オン・フォームが第二言語習得の認知プロセスに与える影響を第二言語習得理論に基づいて予測し、その効果を検証することをねらっている。平成18年度は、以下の2つが実行された:(1)Reformulationによるフォーカス・オン・フォームの構築(2)韓国と日本の英語学習者同士の異文化間交流活動の実施Reformulationとは、第二言語で書かれたエッセイを教師が文法的誤りのみを修正して書き直し、学習者に元の文章と修正された文章を比較させることによって正確性を高め文法習得を促す指導法である。これを異文化間交流の枠組みに取り入れることによって、意味を重視しながらも学習者の注意を言語形式に向けるフォーカス・オン・フォームが可能になる。本研究では、日本人英語学習者が英語で書いたエッセイを研究者が形式的誤りのみを修正して書き直し、それを学習者が書き直しに利用するという活動を継続的に実施した。Reformulationの効果を検証するため、事前・事後テスト法を使い、学習者の英語使用の変化を分析するためのデータを収集した。異文化間交流は、研究者の勤務する大学のゼミ学生22名と、研究者の知人が勤務する韓国成均館大学の学生22名の間でまずインターネットを用いて始め、さらに、年度末に日本人学生と研究者がソウルを訪問し、実際の交流を行なった。このような非英語母語話者との英語での交流が日本人英語学習者の英語使用・英語学習に対する態度にどのような影響を与えたのかを調査するため、アンケート調査を行なった。
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