本研究では、欧米等ではほぼ定着しているLSP(Languages for Specific Purposes)(明確あるいは特定目的のための言語)教育の理念と方法をわが国の外国語(主に英語)教員養成と研修に導入し、先進的なシステムを構築しようと意図するものである。また、日本の外国語教育の改善に向けた新たなる外国語教員養成と研修のシステムを研究し、その開発を図ることが本研究の目的である。その点を踏まえて、本年度は、初年度の資料収集、アンケート及び聞き取り調査等の結果のまとめと分析を実施した。同時に、ヨーロッパ及びアジアにおける外国語教員養成と研修を実地調査を引き続き行った。その際の調査の観点は、 ・大学教育学部教員養成課程の英語教科教育内容の実態とLSP教員研修への応用 ・ヨーロッパ各国の外国語教員養成と研修の実態とLSP理念の関連性 ・アジアの英語教員養成及び研修内容の実態と課題 これをもとに次の点に留意して資料整理及び分析中である。 ・大学教育学部外国語(英語)教員養成及び教育実習の実態 ・大学での教科教育の実態 ・大学以外の教育機関における外国語(英語)教員の資格と研修内容の実態 ・中等教育と高等教育における外国語(英語)教員研修の実態 ・ヨーロッパ(主に英国)におけるLSP(ESP)の現状 ・ヨーロッパ(主に英国)における外国語教員養成と研修の観察及び事例研究 ・アジア(香港)とヨーロッパとオーストラリアの外国語教員研修比較 3年の研究期間のうちの2年目となり、ほぼLSP教員養成・研修システム開発のための基礎データが揃った。最終年度では、それらの知見を総合してある方向性を提示したい。
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