研究概要 |
1.試験的CBTの完成:紙媒体の試験結果を基にした推定能力値を付けたテスト項目バンクのデータを使用し,民間の研究団体で開発されたテストエンジンで試験的CBTを開発した。このCBTでは,中2レベルの問題の中からランダムに出題することにした。この問題に対して,受験生が誤った解答をしたら,先ほどの問題より難易度の低い問題が出題され,正解したら難易度が高い問題が出題される。30問で収束し,受験者の能力を推定する様式である 2.試行調査:2005年に,56名に対して,2回の試行調査を実施した。90分間以内で,CBTと同じテストアイテムバンクから出題した紙媒体の試験を同時に実施し,両者の相関を計測した。両者の相関係数は,0.55であった。CBTのテスト実施は,実施者および受験者ともにスムーズに行うことができた。 3 多くの大学利用されるために:本研究のテストバンクアイテムは,リメディアル教育のテスト開発であった。そのために,学力判定は「高校3年生レベル」までしかできない。CBTとして多くの大学で使用するためには,より難易度が高い問題をテストアイテムバンクに入れる必要があることが判明した。それで,英検準1級程度の学力までが判定できるテストアイテムを開発したプレースメントテスト作成した。2005年4月に12大学で使用した。その受験生の中の101名に英検のプレースメントテストを同時に受験させ,相関係数を計算した。その結果,相関係数は本プレースメントテストと英検のプレースメントテストの相関係数は0.78であった。そのテストアイテムはアイテムバンクに入れた。 4.ペーパーテストとの相関の向上:同じテストアイテムバンクから,出題しているにもかかわらず,CBTとペーパーでのテストとの相関係数が0.55であったことの原因を今後改善する必要がある。
|