研究概要 |
本研究の目的は,1)現代英語を代表する1億語のBritish National Corpus(BNC)を構成する14の専門分野全てのサブコーパスについて,申請者らが独自開発した統計指標を利用して,初級・中級・上級の3レベルの専門語彙を精選し,2)選定された各種専門語彙の妥当性を検証すること,3)専門14分野のうち,2分野の専門語彙のe-ラーニング語彙学習教材を作成することであった。平成18年度の実績は以下のとおりである。 研究目的1)と2)について 平成17年度には,BNCを構成する14分野全てのサブコーパスについて9種の統計指標を用いて,専門分野特徴語リスト(14分野×9種=126リスト)を作成し,それらの語彙レベルを検討して初・中・上級3レベルの専門語彙の精選を完了させた。本年度はこれらに関連した成果を,日本実用英語学会のPractical English Studies,言語処理学会第13回年次大会(3/21/2007)発表論文集に公刊した。中でも最大の成果は,本研究の基盤をなす専門語彙選定手法に関する論文が英語教育における国際的な専門誌であるSystem誌に採録されたことである。これにより開発した語彙選定の手法の有効性が世界的に認められた。 研究目的3について ビジネス分野と学術分野の2分野の専門語彙e-ラーニング教材を開発した。これらに関連した成果として,2006 Asia TEFL International Conference, Fukuoka(8/18/2006)において,口語・文語のビジネス分野の語彙抽出手法とe-ラーニング教材開発に関する研究発表を行い,日本大学生産工学部研究報告Bに公刊した。また,学術分野の話し言葉語彙の抽出研究に基づいて,e-ラーニング教材を開発した。作成したe-ラーニング教材は研究代表者のホームページより公開予定である。
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