研究概要 |
本研究の目的は、テストの等化をテスト実施後行うテストの妥当性研究の一環としてとらえ、テスト作成段階で同等フォームと理論的には考えられる複数のテストフォームの等化方法を検証する。具体的には、テストの機密性のためパイロットテストを実施することができない、また、テスト実施後にテスト問題を公開するために、各テストフォームに内部係留項目(common item)を入れることができないテスト実施環境の中での、テスト等化を研究する。 テスト作成段階で同等フォームと理論的には考えられる複数のテストフォームの等化を行うには、係留テスト(linking test)を作成し、テスト等化を行う必要がある。この手法は、内部係留項目を用いたテスト等化を二度行うことに等しい。 平成17年度の本研究の目的は、同等フォームと理論的には考えられる各フォームを個別テストとして判断する場合の同一受験者の能力(theta)と等化後に同一尺度上におかれた受験者の能力(theta)に顕著な違いがあるかどうかを検証することである。 平成17年度は、下記を実施する。 1.同等フォームと理論的には考えられる二つのテストフォームの解答者データ(既存データ)から1,000人のデータをそれぞれ無作為に抽出する。 2.ラッシュ測定モデルを用い、各フォームの項目情報、テスト情報を分析する。各フォームを個別のテストとして判断する場合の受験者の能力(theta)を算出した。分析にはLERTAP 5.3、WINSTEPS3.1を使う。 3.二つのフォームの項目の一部分をとり、係留項目とし、係留テストを作成する。係留テストに入れる項目を二種類作成する。 4.インターネットを使い係留テストを実施、分析するための準備を完了し、ネット上での係留テスト実施、分析を確認した。
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