研究概要 |
平成17年度の本研究の主要目的は、工学系学生用のESPのCALL教材作成のための教材収集と試作教材を作成することであった。教材収集のためには海外進出日本企業(トヨタ自動車工業カナダ工場、ホンダ製作所カナダ工場)と日本進出海外企業(サンマイクロシステムズ社、ジェンマーヴィジュァルズ社)およびカナダ国立研究所のバンクーバー燃料電池開発研究所に山内、中野、小田の3名で平成17年9月に行った。これらの企業のエンジニアや従業員に山内と中野がインタビューを行い、その場面を小田がビデオ撮影した。また、サンフランシスコ湾にかかっているGolden Gate Bridge, Bay Bridge, San Rafael-Richmond BridgeやFrank Lloydの設計によるMarin County Civic Centerへも出かけ、視覚教材用の写真撮影を行った。 これらのビデオ資料や写真資料を基に、工学部の学生の英語学習向きのマルチメディアCALL教材の試作を行った。本年度の研究打ち合わせにより、学習者がインタビュービデオを理解できるようになるには、ビデオの生教材で学習する以前に段階を踏んだ学習教材の作成が必要であることに合意している。したがって、まず、ビデオの1カットのスクリプト起しを行った。そして、そこに使用されている語彙の語彙学習を行い、次にスクリプトに使用されている構文を理解するセンテンスレベルのリスニング教材と意味理解教材による学習へと進み、最後に生のインタビューの理解を図るマルチメディア教材へと発展するマルチメディアCALL教材の完成を目指す。本年度中には数種類を試作教材を作成した。取材ビデオではインタビュー部分のみの音声しかないので、語彙学習、センテンスレベルのリスニング教材用には、ネイティブスピーカーに依頼して、音声を録音してもらい、それをコンピュータ上でリンクすることで、インタビュー部分のみならず、インタビューという生教材の理解にいたるまでの教材もマルチメディア化した。また、撮影した写真を視覚教材として用い、音声それに音声をリンクした教材の作成にも着手した。 試作教材は18年度に実際に授業で使用してみて、教材やCALLシステムの改良を重ねることにしている。また、今後、教材数を増やし、少なくとも半期を通して使用できる量の教材の作成し、本研究の2つ目の目的であるCALL教材とテキスト教材の有効な組み合わせの方を、授業実践を通して見出したい。 これまでの研究の成果は(1)the 4^<th> Asia TEFL(2006年8月、西南学院大学)および(2)第44回大学英語教育学会全国大会<2006年9月、関西外語大学>において研究発表を行なうことになっている。
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