本研究は、1932年に創設された満洲国の各種調査機関が満洲国の政策立案にいかに関与したのか、またそれらの研究機関と関東軍参謀部、満鉄調査組織、国内の調査機関などとの関わりを明らかにしようとするものである。 このため、2005年8月中国の遼寧省档案館、遼寧省図書館(以上、瀋陽)、吉林省档案館、吉林省社会科学院満鉄資料館、長春市図書館において各調査機関の調査報告書などの関連資料の資料調査を行い、関連する資料を収集した。あわせて、吉林省档案館、吉林省社会科学院満鉄資料館、遼寧省档案館の研究協力者との研究打ち合わせを行った。また、現地調査において収集した資料(マイクロフィルム、CD-ROM)のプリントを作成した。また最近復刻・編纂された満鉄調査組織の調査報告書の入手につとめた。また、満洲国の農業政策、開拓政策などについて、調査機関の政策への関与を検証するための基礎作業として、「満洲農業関係文献目録(未定稿)」を編纂した。さらに、論文「日本の中国調査機関-国策調査機関設置問題と満鉄調査組織を中心に-」を執筆した(本年4月刊行予定)。
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