平成17年度の研究実績は、下記のとおりである。 1)王朝国家軍制に関する基礎データ(反乱、群盗海賊蜂起、鎮圧手続き、軍事動員に関係する記事)を、主として六国史(『続日本紀』・『日本後紀』・『続日本後紀』・『文徳実録』・『日本三代実録』)・古記録(『小右記』・『権記』・『左経記』・『水左記』・『中右記』・『兵範記』・『山槐記』・『玉葉』など)・『平安遺文』などから収集・整理・入力した(継続中)。 2)王朝国家国衙軍制に関する基礎研究として、国衙の検断手続き(刑事手続き)を復元する「国衙重犯検断」論、国衙検断権執行のための実力部隊の動員方法としての「軍勢催促」論をまとめている(継続中)。 3)本研究に関連する既発表論文のうちワープロ入力していない7編の論文「王朝国家国衙軍制の成立」(史学研究144号)、「王朝国家国衙軍制の構造と展開」(史学研究151号)、「押領使・追捕使の諸類型」(ヒストリア94号)、「健児および健児所についての一考察」(修道中高紀要創刊号)、「諸国押領使・追捕使史料集成」(広大文学部紀要45号)、「国衙軍制」(『古代史研究の最前線』2雄山閣)、「王朝国家軍制研究の基本視角」(『王朝国家国政史の研究』吉川弘文館)をスキャナーしてワープロ原稿化する作業を行い、著書『日本王朝国家軍制史の研究』(仮題)としてまとめる基礎作業とした。
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