研究概要 |
本年度は、峠三吉自筆資料のうち自筆草稿の目録を完成し、これまでに知られているすべての自筆草稿約1,150件のデジタル画像と対応させ、『峠三吉自筆草稿画像目録』として公刊し、研究者、研究機関約300に配布した。本目録には、作品草稿の索引を作成した附録とし、検索の便を図った。この索引では、相当数に及ぶ無題の草稿は、冒頭の語句を索引項目として内容の充実を図った。 デジタル画像約1150件(約500メガバイト)は、冊子体として刊行することは不可能である。それゆえ、冊子体に加えて、草稿の資料番号及び作品名と草稿のデジタル画像をハイパーリンク形式でリンクさせ、資料番号あるいは作品名から直ちにデジタル画像を呼び出せる形にしたCD版を完成し、関係研究者、研究機関に配布した。自筆草稿デジタル画像の配布については所有者である峠鷹志氏及び広島文学資料保全の会の許諾を得ている。 峠三吉の他の草稿、具体的には日記、書簡類のデジタル画像の整理と目録とのリンクも進め、およそ半数は技術的には公表可能であるが、関係者の個人情報、プライバシーの問題があり、当分公表できない。完成後は所有者あるいは広島市立中央図書館あるいは広島大学文書館および図書館など公的機関に寄託して将来の公表を待つ予定である。 また、既にデジタル化した原民喜資料と占領軍の広島関係検閲資料であるプランゲ文庫については今後目録化と、目録とリンクした画像目録の作業を進める予定である。
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