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2006 年度 実績報告書

近世後期、畿内先進地域における地域社会構造と大庄屋に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520455
研究機関関西学院大学

研究代表者

志村 洋  関西学院大学, 文学部, 教授 (90272434)

キーワード日本近世史 / 村落史
研究概要

研究2年目にあたる今年度は、前年度と同様に、武庫郡上瓦林村岡本家文書の収集・整理を重点的に行った。また、国文学研究資料館や東京大学史料編纂所がそれぞれ来年度以降閲覧停止措置を取ることを発表したため、両機関が所蔵する尼崎藩関係史料のなかから研究課題に関わる史料を調査し、適宜収集を行った。大庄屋の役職関係では、岡本家文書中に収められた、御用銀・御借入銀関係史料や冥加銀関係史料、千石夫・御用縄藁徴収関係、国役銀徴収関係史料などを重点的に収集し、焼き付けした上で分析に着手した。
多様な職掌を持つ大庄屋は本来夫役徴発を主要な任務としていたと考えられるが、近世初期段階の現人足による夫役徴発体制が17世紀半ば以降に代銀納化されていく状況の中で、役銭徴収事務が重要な大庄屋職務となり、それが核となって近世後期の地域的入用システムが形成されたと考えられる。尼崎藩大庄屋文書の中には、国役銀徴発に関する史料が多く残されており、大庄屋-庄屋のもとで行われる二段階の地域的入用体制もそうした夫役徴発→代銀納化という流れの上に位置づけるべきという見通しを得た。近年の畿内近国支配論では近世前期と後期の研究がやや断絶している観があるが、両者を結びつけるキー概念として「役」徴発があり、次年度以降はこの「役」に注目して検討を行う予定である。
近世後期の尼崎藩では郡中全体に関わる支配行政は領内から選出された2名前後の大庄屋が輪番で執り行っており、城下近在の特定の大庄屋が専従する形式をとっていない。こうした近世後期的なシステムがどの時期から存在していたのかということなども来年度以降の検討課題である。また、岡本家文書中の経営帳簿などの分析を通じて、当地域の経済構造と大庄屋の職務との関係も今後の検討課題である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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