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2006 年度 実績報告書

明朝の官印制度の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520466
研究機関筑波大学

研究代表者

片岡 一忠  筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 教授 (50092515)

キーワード明朝 / 官印 / 伝国宝 / 官衙印 / 九畳篆 / 関防 / 宦官 / 遼東
研究概要

本研究は、中国王朝の官印制度の集大成といえる清朝の官印制度の特徴を解明した成果をふまえて、時代を遡って、各王朝の官印制度の変遷とその特徴を明らかにしようとする研究課題の一環として、清朝の前王朝である明朝の官印制度を明らかにすることを目的とした。具体的には、明朝の官制の変遷を確認し、その中での官印の種類と発給、特に明朝においてはじめて採用された、印背の刻宇と「関防」印の出現について、それぞれの背景を考察することに注意した。
その結果、(1)印背の刻字として、これまでの「製造年月」、「製造部署名」に加えて、前代の元朝のパスパ文官印に見られた印文の漢訳文がそのまま、漢文印である明朝の官印にも踏襲され、印文と同じ文が印背にも刻されたこと、(2)同じ刻字でも、印側に製造番号といえる「編号」がはじめて刻され、それによって王朝の官印管理体制がいっそう完備されたものになったことが判明した。(3)明朝に出現した長方形の「関防」印について、これまで通説のように語られていた洪武帝時代(1368-1398)ではなく、当初は宣徳帝時代(1425-1435)に内府で一部の宙官に給付され、のちに正統帝時代(1435-1449)に一般官員に発給されたことが史料的に確認することができ、さらに遼東都指揮使司の各種官印を整理し分析することで、支配体制の中での官印の機能、運用の具体像を素描できた。かくして、官印に係わる罰則規定をふくめた明朝の官印制度の全体像を、各種の官印印影を提示して明らかにし、明朝の官印制度がほぼそのまま清朝のそれに継承されたことを確認できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 明朝の官印制度2007

    • 著者名/発表者名
      片岡 一忠
    • 雑誌名

      歴史人類 35号

      ページ: 3-58

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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