研究課題
基盤研究(C)
イスタンブルのアヤソフィア・ワクフの事例をもとにイスラム宗教寄進制度(=ワクフ制度)の歴史的展開を追う本研究は、3年間の研究期間中に次の成果をあげた。1.イスラム法ファトワー(法判断)資料についての研究-特に16世紀のシェイヒュルイスラームであったエブースード・エフェンディのファトワーについて、イスタンブルおよびベルリンの諸図書館で調査研究を実施し、必要資料を収集した。ワクフ制度に関する法体系の変化を実証する材料の収集に成功した。2.1496年付けアヤソフィア・ワクフ調査台帳の校訂作業-総理府オスマン文書館MaliyedenMudevver No.19に整理された「1496年付けアヤソフィア・ワクフ調査台帳」の校訂作業を継続し、ほぼ完成させた。本史料は、ワクフ制度を活用したイスタンブル再建プロセスの、もっとも重要な史料となる。インデックス作成など、刊行の準備をすすめた。3.本研究の成果をトルコ語での論考、Fatih Vakfiyeleri'nin Tanzim Sureci Uzerineにまとめ、トルコ共和国歴史協会の雑誌Belletenに投稿した。この論文は、アヤソフィア・ワクフの創立を含むメフメト2世のワクフ寄進の経緯をイスタンブル復興史と関連づけて、明らかにしたもの。Belleten誌は、トルコにおける最も定評のある歴史分野の雑誌のひとつである。査読の結果、採択され、2008年263号(4月刊行予定)に掲載される(印刷中)。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)
Belleten (Turk Tarih Kurumu) 263号(印刷中)
Belleten,(Turk Tarih Kurumu) No.263