研究課題
基盤研究(C)
初年度の2005年には龍崗秦簡簡文に一字ごとに分割、部首ごとに整理し、番号を振ってこれらを基に文字篇データを作成した。二回目の現場踏査・日中両国専門家への訪問を行った。また、約300簡の釈文の第一案を作った。現場のシンポジウムで「龍崗秦簡に見える雲夢城の性格」という論文を発表した。2年目の2006年には、前年度に作った「雲夢龍崗秦簡」の注釈について、日本の専門家(工藤元男・鶴間和幸氏等)や、中国の陳偉・胡平生氏等と、具体的検討を行った。また、『睡虎地秦簡』の「秦律十八種」と比較して、本簡の禁苑律特徴はさらに明らかになった。『張家山漢簡』の「算数書」と「雲夢龍崗秦簡」との比較もでき、神武天皇の離宮と推定された久留陪遺跡、河南省にある則天武后の離宮である合壁宮と興泰宮等にも、それぞれ1回の実地調査を行った。最終年度の2007年度は、本研究において最も困難な、律文の復元と「雲夢禁苑」復元図の作成段階に入った。結果として11種の律名を復元したうえに、全部簡文の新たな配列順次ができ、現場で調査したとき入手した考古発掘図にもとづき、雲夢禁苑構造図も復元案を完成した(もとの図の著作権問題によって、すぐ公表できないが)。三年間にこの課題をめぐる研究論文が7通、学会発表は6回があり、また三編・七章の内容を含める約300頁に至る研究成果報告書を完成した。今後の課題は、1、龍崗秦簡を中心として、その睡虎秦簡や張家山漢簡との関連性についての研究;2、雲夢禁苑の空間構造への研究から当時秦の始皇帝が統一中国の全土へ巡幸したとき尋ねった数多くの禁苑の全般的な実像も追及したいということである。
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山口大学文学会志 第58巻
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Journal of the Literary Society of Yamaguchi University Vol. 58
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Journal of the Literary Society of Yamaguchi University Vol. 57
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Research on the Culture of the Zhou,Qin, Han and Tang Dynasties Vol. 4