中世ロシアの諸異端の実態を探ることをテーマとする本研究は、中世ロシア諸異端がいわゆる「異教糾弾文書」において糾弾された「ロードとロジャニツァ信仰」と同一であるか、ないしは、「ロードとロジャニツァ信仰」を温床として独自の発展を遂げたものであるという仮説を立証することを課題としている。 このテーマ追究のために資料の整備が必要であり、応分の研究費用がロシアにおける文書館活動に充てられることは、交付申請書で述べた。本年度は、上記の課題をまっとうするため、2005年8月から9月にかけて、ロシア連邦共和国サンクトペテルブルグ市ロシア国民図書館において、ノヴゴロド・ソフィア写本集成整理番号1262の収録作品リストの作成をおこなった。しかしながら、テーマ追究のための資料はまだ十分とは言い難いので、来年度もロシアの諸図書館、文書館において資料収集の続行が望まれる。 さらに、翻刻作業の進展にともなっては、その成果を本国の専門研究者の専門知識の供与をもって修正を施し、テクストの最終的な確定を行ったりすることも必要であるが、作業はまだこちらには達していない。 日本語、欧語の研究書の収集も本年度課題の重要な一部であったが、応分の科学研究費が、資料となる文献の収集に充当され、それらの文献の講読分析は、課題遂行に貢献した。 また、映像資料収集、整理、分析も本年度活動の獣医媼部分であったが、応分の科学研究費がそれら映像資料収集、整理のための機材の購入に充当され、従来の機器との連携してこれら機器を用い、ロシアにおける映像資料の収集が行われた。
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