研究概要 |
平成17年度は、「フランス革命研究コレクション」のカタログを精査し、本研究課題を遂行するうえで利用可能な史料をチェックした。また、『議会議事録』(Archives parlementaires)の索引を利用して、全国各地の市町村や人民協会などから国民公会に寄せられた、最高存在の祭典に直接・間接に関係する膨大な意見書の所在(巻数・ページ)を確認した。しかし現在までのところ、それらの史料を読み、分析するまでにはいたっていない。 いっぽう、平成17年度の夏期休暇中と冬期にそれぞれ一ヶ月間、三週間程度渡仏し、国立図書館に所蔵されているカトリックの聖職者の手になる神学書の蒐集と分析を重点的におこなうとともに、国立古文書館やパリ市歴史図書館で史料調査をおこない、「世論」や民衆の宗教意識などにかかわる手稿史料もある程度蒐集・参照した。なお、このフランスでの史料蒐集活動のさいに不可欠な、携帯可能なノート型パソコンを一台、渡仏前に購入した。 以上の研究活動の成果をも背景として、平成17年11月に専修大学において「フランス革命におけるパリの民衆」という題目で公開講座をおこなった(この公演内容の印刷・公刊は2007年3月の予定)。また、まだ公にされてはいないが、『西洋近現代史研究入門 再増補改訂版』(名古屋大学出版会,2006年5月刊行予定)や「地方紙研究の意味とはなにか」(『歴史学研究』掲載決定)が、近いうちに刊行される予定である。
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