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2005 年度 実績報告書

地方長官補佐から見た絶対王政期フランスの権力構造

研究課題

研究課題/領域番号 17520505
研究機関成城大学

研究代表者

林田 伸一  成城大学, 文芸学部, 教授 (10173048)

キーワード近世史 / 行政史 / 地方史 / フランス
研究概要

地方長官補佐についての研究のうち、今年度は、その管轄区と近世フランスにおける公的職務の担い手の中での位置づけを主として検討した。
管轄区については、二つの点が明らかになった。第一は、フランス全国のレベルで見た場合、地方長官補佐管轄区は新たに画一的な原則に基づいて創設されたものではなく、徴税単位であるエレクシオンをはじめ、司教区、司法管区などさまざまな既存の区分を基礎にしており、それに由来する区分の錯綜やあいまいさもしばしば見られた。ただし、そうした中でも、王国中心部ではエレクシオンを基礎に地方長官補佐管区がつくられている場合が多く、本研究が対象としたトゥールの地方長官管区でも地方長官補佐管区はすべてエレクシオンを基礎に形成されていた。
第二点。近世フランスでは、フランス革命以後と違い、R.ムーニエなどが指摘しているように、官職保有官僚、特任官僚、事務官僚など、さまざまなタイプの公的職務の担い手が存在した。地方長官補佐は、代表的な特任官僚である地方長官から特任状を交付されてその職務を行使するのであり、この点では特任官僚に近い。しかし、地方長官と異なり、在地性によって特徴づけられ原則として無給である点は、同じように地方名望家が担い手であった都市役人に類似した性格をもつことが明らかになった。
上で明らかにされた点は、今後検討する予定である近世フランスの権力構造における地方長官補佐の実際の機能とも関連すると推測される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 『国民国家と帝国-ヨーロッパ諸国民の創造』の書評会について2005

    • 著者名/発表者名
      林田 伸一
    • 雑誌名

      メトロポリタン史学 1

      ページ: 91-95

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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