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2006 年度 実績報告書

20世紀フランス史再考-植民地帝国の変還とヨーロッパ統合問題

研究課題

研究課題/領域番号 17520510
研究機関武蔵大学

研究代表者

平野 千果子  武蔵大学, 人文学部, 教授 (00319419)

キーワードフランス帝国史 / ヨーロッパ統合 / ユーラフリカ / 脱植民地化 / 比較帝国史
研究概要

本年度は書籍の購入、フランスへの史料収集のための出張、ドイツ現代史学会での報告が、おもな支出であった。フランスへの出張では、昨年は時間がなくて見られなかった史料を手にすることができた。なかでも国立図書館が所蔵する1950年代の雑誌類は、研究を進める上でぜひ目を通しておく必要があるものであり、充実した成果が得られた。また学会に関しては、「ドイツ現代史」という枠組み自体の脱構築を試みたいという企画側の目的が、従来の「フランス史」という枠組みの問い直しを進めてきた私の立場と重なるものがあり、共鳴するところが多かった。しかも「フランス植民地帝国からみたヨーロッパ統合-ユーラフリカ概念を中心に」というタイトルで、本科研費による研究テーマそのものについて報告することができ、その意味でもたいへんに意義深かった。
実績については、主要論文として『歴史評論』に「歴史を書くのはだれか」が掲載された。ヨーロッパ統合の問題からは若干離れるが、20世紀フランス史を植民地問題を通して再考するという、大きな問題意識は共通するものである。そのほか短文が二箇所に掲載された。一つは2005年秋に東京外国語大学で行なわれた国際シンポジウム「ジブラルタル海峡をはさむ他者認識-イベリアとマグレブの相克」に対するコメント、もう一つは『歴史と地理-世界史の研究』の研究フォーラムにまとめた「ヨーロッパのなかの「非ヨーロッパ」-フランス植民地帝国を通して考える」である。いずれも本科研費による研究に密接にかかわる内容であるが、とりわけ国際シンポジウムでのコメントは、ユーラフリカという言葉をめぐって、1930年代の異なる側面について言及したもので、この点は来年度以降に深めるべき論点となるはずである。またマルク・ブロック『奇妙な敗北-1940年の証言』の翻訳を上梓したことを記しておきたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ヨーロッパのなかの「非ヨーロッパ」-フランス植民地帝国の歴史を通して考える2007

    • 著者名/発表者名
      平野 千果子
    • 雑誌名

      歴史と地理-世界史の研究 210

      ページ: 48-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 歴史を書くのはだれか-2005年フランスにおける植民地支配の過去をめぐる論争2006

    • 著者名/発表者名
      平野 千果子
    • 雑誌名

      歴史評論 677

      ページ: 19-31

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 国際シンポジウム「ジグラルタル海峡をはさむ他者認識-イベリアとマグレブの相克」コメント(1)2006

    • 著者名/発表者名
      平野 千果子
    • 雑誌名

      史資料ハブ(地域文化研究) 8

      ページ: 55-59

  • [図書] 奇妙な敗北(マルク・グロック著)2007

    • 著者名/発表者名
      平野千果子(翻訳 訳者)
    • 総ページ数
      253
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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