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2005 年度 実績報告書

ストックホルムから見た近世スウェーデンと環バルト海世界の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520514
研究種目

基盤研究(C)

研究機関旭川工業高等専門学校

研究代表者

根本 聡  旭川工業高等専門学校, 一般人文科, 助教授 (80342442)

キーワードスウェーデン / ストックホルム / バルト海 / ハンザ商人 / ボスニア海域商業強制策 / 鉄 / 鉱山農民 / 鉱業
研究概要

第一に、都市ストックホルムの発展史については、論文「海峡都市ストックホルムの成立と展開-メーラレン湖とバルト海のあいだで」(歴史学研究会編『港町の世界史1港町と海域世界』青木書店所収)で、当都市が成立した1250年頃から17世紀に至るまでの発展史を港町とその商業圏の形成という視点から描くことによって、わが国に皆無であった当該分野の空白を一部埋めた。スウェーデン王権は当初より、ボスニア湾・フィンランド湾沿岸の産物(魚類・海獣油・毛皮等)を当都市に集中させる規制策を行ったが、ドイツ・ハンザとの関係を含めた環バルト海世界の交易形態を考察した点に本研究の新しさと意義がある。ヨーロッパ大陸の側からは当都市へとハンザ商人がコッゲ船で塩や布などを運び、上記の未開の物産を持ち帰った。実はこの規制策(ボスニア海域商業強制策)は、当都市が17世紀以降に首都となり、バルト海のメトロポールとしても繁栄した時代に、ステープル政策へと発展する。よって来年度は、17世紀スウェーデンの商業政策の意義と影響についての解明を目指す。しかし外界は上述の物産だけに着目したのではなかった。スウェーデンは鉄を産する国であり、ハンザ商人も鉄が目当てでバルト海を越えたのであった。そこで第二に、論文「スウェーデン鉄とストックホルム-鉱山業における国家と農民」を発表し、同じく未開拓の分野に次なる新知見を加えた。中世以来のスウェーデン鉄生産の前史を考察した上で、17世紀中葉以降の棒鉄生産への転換による増産体制の在り方に着目し、鉱業政策の特質、すなわちエネルギー源(森林資源:木炭)と生産者(鉱山農民:ベリィスマン)の両者を保護しなければならない理由を考察した。今後の研究の主眼は、以上の研究成果を基礎に、環バルト海世界に進行していた国際商業ネットワークの形成の中に近世スウェーデン王権の貿易政策と産業政策を位置づけることとなる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] スウェーデン鉄とストックホルム--鉱山業における国家と農民--2005

    • 著者名/発表者名
      根本 聡
    • 雑誌名

      ヨーロッパ文化史研究 第6号

      ページ: 75-92

  • [図書] シリーズ港町の世界史第1巻 港町と海域世界2005

    • 著者名/発表者名
      歴史学研究会編, 村井章介責任編集
    • 総ページ数
      397
    • 出版者
      青木書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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