研究課題/領域番号 |
17520515
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
須藤 隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00004060)
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研究分担者 |
柳田 俊雄 東北大学, 総合学術博物館, 教授 (40140462)
高木 暢亮 東北大学, 大学院文学研究科, 助手 (70333771)
菅野 智則 東北大学, 大学院文学研究科, 助手 (30400196)
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キーワード | 縄文時代 / 亀ヶ岡式土器 / 集落 / 弥生時代 / 砂沢式土器 / データベース |
研究概要 |
今年度は、研究計画にそって、東北地方北・中部に重点をおき、集落遺跡関連資料のデータベース構築と岩木川流域・津軽半島、馬渕川・新井田川流域、北上川流域における当該期の集落遺跡の立地条件と地形景観、現状、遺跡規模、調査地の確認、出土遺物の詳細調査を実施した。1 岩木川流域では、岩木山東麓の十腰内I、II(十面沢)、薬師、砂沢、宇田野II遺跡などの踏査と関連資料の調査と津軽半島の亀ヶ岡、宇鉄、今津遺跡などの踏査と資料調査を実施した。亀ヶ岡遺跡では、漆塗り壷、籃胎漆器などの詳細調査・写真撮影を行った。また、薬師遺跡資料では、東北地方から伊勢湾にかけてひろく分布する浮線渦巻文短頚壷1点を資料化できた。2 馬渕川・新井田川流域では、八戸市島守荒谷遺跡、是川遺跡の踏査と資料調査を実施した。八戸市教育委員会が調査中の荒谷遺跡では、弥生前期の竪穴住居跡を検討するとともに、東北地方北部では初例となる柱状片刃抉入石斧1点を確認し、記録できた。3 馬淵川上流域の雨滝遺跡について、岩手県立博物館と明治大学博物館で資料内容を調査した。さらに、この時期の集落の地域性を解明する基礎資料として、4 喜田貞吉・伊東信雄が収集、整理した東北大学所蔵久原コレクションのデータベース化を進めた。これまでに50点の亀ヶ岡式土器について実測図、意匠展開図、詳細写真、観察記録、計測などの基礎作業を行なった。今後、関連資料の収集と300点をこすコレクションの整理、詳細なデータベース化を継続する。 また、これまで継続調査してきた北上川流域の中神、前田集落遺跡出土資料について分析を進め、5 搬入移動資料の関連遺跡とみられる滋賀県滋賀里遺跡、奈良県唐古・鍵遺跡出土資料の比較検討を、京都大学総合学術博物館、田原本町資料館で実施し、文化交流の実態追究に取り組んだ。
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