研究課題/領域番号 |
17520515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
須藤 隆 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (00004060)
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研究分担者 |
阿子島 香 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (10142902)
関根 達人 弘前大学, 人文学部, 助教授 (00241505)
松山 成男 東北大学, 大学院工学研究科, 助手 (70219525)
管野 智則 東北大学, 大学院文学研究科, 助手 (30400196)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 縄文時代 / 弥生時代 / 集落 / 亀ヶ岡土器 / 山王III層式 / 田向冷水式 |
研究概要 |
本研究では東北日本の縄文時代から弥生時代における社会、文化の変動と変異の特質を究明することを主要課題とした。とくに、東北日本の晩期縄文社会の成立から終焉、前・中期弥生農耕社会へと展開する変動期に焦点をあて、遺跡、遺構、遺物を総合的に追究することを目指した。 最初に、晩期縄文社会の形成と展開の過程について追究した(第1章)。まず、集落研究の目的と方法について提示した(第1節)。そして、縄文後晩期縄文集落のあり方について検討し、その地域性を言及した(第2節・第3節)。また、晩期3・4期土器の、技術型式論、文様論的視座から検討し、極めて強い規制を指摘した(第4節)。最後に、晩期5期浮線渦巻文壷と蓋の型式学的検討と分布状況の検討から、広く分布する類似した様相と、地域色を捉えた(第5節)。 次に、東北日本における初期農耕社会と前期弥生土器の成立過程を目指した。まず、東日本各地域に分布する前期弥生集落遺跡、弥生土器のあり方、その地域性を検討した(第2章)。さらに、北上川水系を主体に分布する山王III層式の分析を通じて、晩期終末から弥生前期の土器型式変遷、分布状況を明確に捉えた(第3章)。また、北上川水系との対比のもとに、馬淵川・新井田川水系に分布する砂沢式、田向冷水式の基準資料を詳細に検討した(第4章)。これらの成果から、前期弥生時代の土器型式の様態と変遷、その地域色について指摘した。 最後に、東北日本に初期農耕社会が確立し、地域色豊かな弥生文化が発達した中期中葉の集落、水田、土器を取りあげ、その地域的特質を追究した(第5章)。とくに仙台平野の高田B遺跡、津軽平野の垂柳遺跡の集落構成と土器の型式学的構造を詳細に検討した。 これら研究から、縄文から弥生時代の各時期における、集落構造・技術的特徴の地域的あり方と共に、稲作農耕導入へ向けての社会・文化変動の詳細を指摘した。
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