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2006 年度 実績報告書

中・近世アイヌ民族の農耕活動の実態について-発掘された畠跡と種子をもとにして-

研究課題

研究課題/領域番号 17520530
研究機関北海道開拓記念館

研究代表者

山田 悟郎  北海道開拓記念館, 学芸部, 研究員 (00113473)

キーワード畠跡 / 炭化種子 / 裸性オオムギ / キビ団子 / イネ科花粉 / アイヌ民族 / 鹿送り / 灰送り
研究概要

これまでに発掘調査された20個所の畠跡に関するデーターの集約を行うとともに、18遺跡の集落跡・墓墳等から出土した作物種子の集約を行った。
また、厚真町モエ遺跡の17世紀の鹿送り跡から出土した炭化キビの小塊調査を行い、キビの小塊は煮沸して団子状に丸めたもので、鹿送りに際して儀式的に使用されたものであることを明らかにした。同様なキビ小塊は厚真町厚幌1遺跡の、やはり17世紀頃の鹿送り跡から裸性オオムギとともに出土したものと同様な役割を担った可能性が強い。
北見市常呂町TK73遺跡の、擦文時代の住居跡上層を利用した灰送り跡(18世紀頃)から採取された土壌の浮遊選別作業で得られた炭化物の調査を行い、ササ属穎果、ヤマブドウ種子、キハダ果実・種子、コナラ亜属子葉と裸性オオムギが含まれていたことを明らかにした。これまで、アイヌ民族によって裸性オオムギが利用されていたのは17世紀まで辿ることができていたが、今回の出土例から18世紀まで利用されていたことが確認された。オオムギが利用されていた実年代を明らかにするため、共に出土したヤマブドウ種子を用いて年代測定を行った結果、B.P.225±20y.B.P.(PLD-6842)の値が得られ、1780年頃のものであるとの結果が得られた。
洞爺湖町高砂貝塚の平成18年度分布確認調査で発掘された畠跡から採取された土壌と、畠跡脇を流れる小河川沿いで行った深堀調査で得られた有珠b火山灰直下の泥炭の花粉分析を行った。畠跡の土壌から栽培植物の花粉は検出されなかったが、畑地の随伴雑草の花粉が検出され、泥炭層からは栽培種の可能性が強いイネ科花粉が検出され、畠での作物の一つがイネ科(ヒエ・アワ・キビ)であったことを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 北海道の遺跡から出土したヒエ・アワ・キビ2006

    • 著者名/発表者名
      山田 悟郎, 椿坂恭代
    • 雑誌名

      極東先史古代の穀物 2

      ページ: 15-26

  • [雑誌論文] 北方の農耕-考古学的見地から2006

    • 著者名/発表者名
      山田 悟郎
    • 雑誌名

      東アジアのなかの日本文化に関する総合的な研究-焼畑- I

      ページ: 167-179

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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