研究課題/領域番号 |
17520544
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
杉浦 芳夫 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (00117714)
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研究分担者 |
原山 道子 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (00117722)
石崎 研二 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (10281239)
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キーワード | 中心地理論 / ナチ・ドイツ / Christaller / 地理学史 / ポーランド |
研究概要 |
1.ナチ・ドイツによるポーランド占領以前の1937年に、オーバーシュレージエンのドイツ東部国境地帯では、オーバーシュレージエン国土計画共同体によって、国境を越えたポーランド側までもカヴァする中心地ネットワーク再編計画が策定された。そこでの中心地は、ポーランド人など他民族を支配するための戦略拠点の性格を備えていた。占領後、Christaller(1941)がポーランド西部に関して図示した中心地再編計画においても、占領以前の国境線とは無関係に中心地ネットワークは設定されていた。 2.ポーランドを始めとする東方占領地への中心地理論の応用には、手本とすべき先行例があった。1941年にナチ・ドイツによって占領されたオランダの北東ポルダーの集落配置計画、さらにはそれを含むアイセル湖南部のポルダー集落配置計画には中心地理論の考え方が利用されている。ポルダー集落配置計画へ中心地理論の応用を考えついたのは、ナチ・ドイツではなく、オランダの国土計画に携わるテクノクラートであったが、ナチ・ドイツはその計画を認め、具体的な入植結果も含め、そうした西方占領地での経験を東方占領地での集落配置計画に生かすことを目論んだ。 3.中心地の現実の分布と理論上の分布との対応関係を測る分析方法として、数理計画法の割当問題を空間的に拡張した新しい空間的適合度測定尺度を開発した。従来、同様の分析方法としては、ユークリッド2次元回帰分析、最近隣空間的随伴尺度、空間的連関係数があったが、新しく開発した方法は、2種類の分布図の対応する点のペアを、任意の基準の下で特定して対応度を測定する点に特長がある。
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