本研究の3年目は、これまで同様、文献サーベイの拡充と国内および中国における実態調査を行うと共に、研究のまとめとなる「実態を踏まえた理論フレームの構築」を行った。 まず、国内の調査では、吉野家、重光産業、麦の穂、壱番屋、ファミリーマートのほか、海外への進出をサポートするミュープランニング(サントリーの子会社)などを回った。海外調査では、上海の吉野家と重光産業などを調査した。本年は中国の現地企業のヒヤリングは実現できなかった。 研究の分析については、まず欧米の文献サーベイにカを入れ100以上の文献をサーベイし、理論的な課題を明らかにした。また、実態調査から明らかとなった現地での課題を整理するにあたり、ノウハウと商品という2つのファクターの影響度を基に、企業特性をポジショニングして、それぞれの主体特性を踏まえた海外進出のあり方を議論するフレームを導出した。 本年の成果の一部は、『流通情報』466号と『流通とシステム』135号で発表した。また、理論的なまとめの部分は、日本商業学会の全国大会で報告を行う予定である(6月)。この報告論文は20年度中に『流通研究』(日本商業学会)に掲載される予定である。 なお、5月には3年間の研究成果をまとめた報告書を作成した。
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