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2005 年度 実績報告書

東南アジア・イスラーム社会におけるイスラームと市民的価値との整合に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17520558
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

多和田 裕司  大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00253625)

キーワード文化人類学 / 地域研究 / イスラーム / 国際研究者交流 / マレーシア:シンガポール
研究概要

本年度は、主としてマレーシアにおけるイスラームと市民的価値との「整合」に関しての文献資料の収集をおこなうとともに、イスラーム教義上の棄教と憲法が保障する宗教の自由との関係について、法制度上から見た同国の「整合」の試みを研究論文としてとりまとめた。
具体的には、マラヤ大学、マレーシア国民大学、マレーシア国立図書館において、同国のイスラーム関連法についての調査をおこなった。マレーシア各州の州条例(註:イスラーム行政は各州の管轄である)について、とくにイスラームからの棄教に関する規定という、宗教の自由という、現代市民社会に普遍的な価値に抵触する可能性のある事項に関して、独立以降の各州条例の変遷(改正)過程も含めて精査した。資料の分析から、マレーシアではイスラームが法的側面においてもマレー系を規定する一要素となっているため、棄教がたんに宗教の自由の問題にとどまるのではなく国家の制度的枠組みというより広い文脈のなかで論じられなければならない問題であること、市民的価値との「整合」へ向けて、国家、州、知識人、諸宗教団体などによってさまざまな試みが主張されていることなどがあきらかとなった。
またマレーシア調査に付随して、シンガポール国立大学において、同国のイスラームおよびイスラーム教徒にたいする法的枠組みにかんする資料収集をおこなった。ジンガポールで入手した資料は、(歴史的にはある時期同一国家であったにもかかわらず)マレーシアとは対照的な、少数派としてのイスラーム教徒の現代国家における位置づけについての検討材料であり、同時に、次年度以降の研究課題として予定している東南アジア・イスラーム社会における比較研究にむけての手がかりともなるものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] マレーシアのイスラーム法制における「自由」と「制約」:イスラーム教義と現代的価値との「整合」への試み2006

    • 著者名/発表者名
      多和田 裕司
    • 雑誌名

      東南アジアにおけるイスラームの現在(南太平洋海域調査研究報告(青山亨編)(鹿児島大学)) 43号

      ページ: 15-27

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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