本年度の研究目的は、1.画像として取得した藩法史料の文字データ化 2.文字データ化した藩法史料の文字列検索システムの構築 3.デジタルデータの公開と分析である。 このうち1については、盛岡藩「刑罪」のデジタル化を完了し、3についても書籍版の出版(研究成果刊行助成)と同時に、CD-ROMによるすべての文字データおよび分析の一部の公開を終えることができた。2については、助成金の採択が9月末であったため、研究期間・経費の不足のため、市販の検索システム(エクセルおよびPDFの検索機能)に頼らざるを得ない状態であるが、「刑罪細目次」としてその素材をCD-ROMに収録している。 従って、より効率的な検索システムの構築が次年度の課題であり、さらに研究計画全体として掲げた対馬藩「罸責」・長州藩「温故便覧」について同様の手順で文字データ化を進め、もってデジタル化された藩法史料を蓄積していく予定である。 これらの成果は、別課題として企画・構築中の藩法史料データベースの一モデルとなり、IT時代にふさわしい法制史料の公開と効率的な利用を促進するものと確信している。
|