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2007 年度 実績報告書

社会的多様性の代表と政治統合-代表の基礎理論に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17530016
研究機関一橋大学

研究代表者

只野 雅人  一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90258278)

キーワード議会制 / 選挙 / 政党 / 二院制 / 民意
研究概要

過去2年間の研究の蓄積を踏まえ、具体的な成果のまとめを行った。
まず19年度当初、研究開始以来取り組んできた、杉原泰雄・一橋大学名誉教授との共著『憲法と議会制度』を出版することができた。議会制度についての憲法原理的な検討を主題とする本書において、日本国憲法下の国会制度を扱う第2部を担当した。そこでは、等質性と多様性という2つの原理の交錯点に国会制度を位置づけ、議会制を通じた「民意の徹底した反映」の可能性を、多面的に探った。多元性の合理化を論じた代表の基礎理論に関する第2章、政治的平等・代表の社会学化・政党・選挙制度・二院制などをあつかった第3章は、いずれも本研究の主題と直結するものであり、研究課題についての一応の解答を体系的に提示したものである。
また、19年度後半に公刊した「議院内閣制の基本構造」では、議院内閣制をめぐる法制度の改革や運用の変化、さらには従来十分に意識されることのなかった「強い参議院」の顕在化、といったアクチュアルな問題状況を踏まえ、政府の責任という議院内閣制の本質的要素を手がかりに、議会制、とりわけ二院制が、多様な民意の統合に果たす役割を論じている。諸外国の基礎理論を踏まえつつ、憲法制定当初の議論にまでさかのぼり、「強い参議院」を組み込んだ日本国憲法の議院内閣制が、多様な民意の統合に積極的な役割を果たしうることを主張している。
以上の2つの著作を通じ、近時の日本の議会制をめぐる問題状況をも踏まえつつ、社会的多様性と政治統合に関する代表の基礎理論の構築という研究課題に対し、なお過渡的なものではあるが、一応の解答を提ぶし、今後の研究の発展の上でも、なお不十分なものながら、一つの足がかりを築くことができたのではないかと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 「第2部 日本国憲法の国会」(杉原泰雄=只野雅人著『憲法と議会制度』, 117-418頁)2007

    • 著者名/発表者名
      只野雅人
    • 総ページ数
      302頁/418頁
    • 出版者
      法律文化社
  • [図書] 「議院内閣制の基本構造」(土井真一編『岩波講座憲法4 変容する統治システム』, 77-107頁)2007

    • 著者名/発表者名
      只野雅人
    • 総ページ数
      33頁/345頁
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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