庶民院・軍事委員会の2004-05年の第2報告書「3軍軍隊法案(Tri-Service Armed Forces Bill)(2005年3月14日付)に加え、イラク戦争・同占領下で生じている問題(例えばイギリス兵によるイラク人虐待、その起訴に関わる対立、起訴当局の能力の限界など)、イギリス国内での入隊者への虐待問題(いわゆるDeep Cut問題)などへの対応を含みつつ、2006年軍隊法案の審議が議会で始まった。その中での軍法会議に関わる議論も含めて、分析中である。 また、イラク戦争での軍事作戦に参加したイギリス兵の死に関し、検屍官裁判所(Coroner's Court)において、当該作戦と兵士の死の関係が審議された(2006年3月)。死亡した兵士の遺族の弁護士が、検屍官の前で、作戦を担当した司令官にその作戦の無謀さを質問していくというケースは、軍事法の「司法化」の新しい領域となる可能性がある。来年度以降は、検屍官裁判所そのものの研究を踏まえながら、兵士の死を巡る「司法化」を調査したい。
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