平成18年度においては、研究テーマに直結する、地域医療体制に関する法制度について、大幅な法改正が行われた。「患者の視点に立った、患者のための医療提供体制の改革」を基本的考え方とした「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」が同年6月に成立し、本研究テーマである「医療のIT化の問題」に直接関連する「患者等への医療に関する情報提供の推進」については、患者等が医療に関する情報を十分に得られ、適切な情報を選択できるように支援するという基本的考え方から、都道府県が医療機関等に関する情報を集約し、わかりやすく住民に情報提供を行い、住民からの相談等に適切に応じる仕組み(医療機能情報公表制度)の創設、および広告規制の見直しによる広告可能事項の拡大が行われた。本年度においては、研究テーマに関連する法改正に焦点を当てて、研究を行った。上記の医療機能情報公表制度について競争法研究者、医療法研究者との意見交換を行い、類似の制度を有するイギリスの制度について、資料収集を行った。広告規制の見直しについては、従来の医療法の立法趣旨、今回の改正の経緯、趣旨等について、資料収集を行うとともに、専門家との研究打ち合わせを行った。これらの研究成果の一部は、論文として公表する予定である。
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