研究概要 |
研究初年度である昨年度は,基礎的な作業としてまず研究課題に関連する先行研究の収集及び検討を行った。また,国内における障害をもつ人の雇用・就労支援法制について検討を行った。これらは論文「障害者雇用促進法における障害をもつ人の就労支援制度」にまとめ,富山商船高等専門学校研究集録に掲載した。 研究2年目に当たる今年度は,外国の障害をもつ人の雇用・就労制度と当事者への公的支援制度のあり方について,特にイギリスに焦点を当てて文献の収集や現行制度の調査並びに検討等を行った。イギリスは日本と同様に割当雇用制度をとっていたが,1995年に障害者差別禁止法(Disability Discrimination Act 1995)の制定により割当雇用制度を廃止するという法制の大きな転換を行った。そのような状況下で障害をもつ人の雇用・就労支援がどのように行われているのか調査し,その評価と課題を検討することを研究の目標とした。本年度2月にはイギリスに出張し,Jobcentre Plus等での聞き取り調査を行い多くの資料を持ち帰ることができた。イギリスでは障害をもつ人の雇用・就労政策はNew Dealと呼ばれる新たな労働政策の一環に位置づけられ諸制度が展開されている。現在それらの資料を分析中であるが,これらの検討結果は論文「イギリスにおける障害をもつ人の雇用・就労支援制度」にまとめ公刊の予定である。 本研究の最終年度である次年度は,昨年度の国内研究と今年度の外国研究をもとに,障害をもつ人の雇用・就労支援法制のあり方について分析と検討を行う。特に障害をもつ当事者への公的支援制度のあり方を考察していき,本研究の成果をまとめる。
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