研究概要 |
科研費研究初年度である平成17年度においては,新「不動産登記法」を中心に検討を進めた。 (1)電子申請 まず,新法の導入した不動産登記のオンライン申請(電子申請)に関しては,「新『不動産登記法』におけるオンライン申請制度の概要」日本土地法学会編=長崎大学経済学部100周年記念共催『転機に立つアジアの土地法』(有斐閣・土地問題双書36,平成17年6月)279頁〜320頁を公表し,わが国の新法の問題点を,とくに韓国法との対比において明確化した。 (2)公共嘱託登記司法書士協会 一方,公益法人改革との関係で,今後の展開が注目される公共嘱託登記司法書士協会に関して,平成17年7月22日にパシフィコ横浜アネックスホールで開催された公共嘱託登記司法書士協会創立20周年記念事業におけるシンポジウムに登壇し(登壇者は,七戸のほか,鎌田薫(早稲田大学教授・司会),千葉景子(参議院議員),佐藤純通(司法書士),紺谷典子(エコノミスト)である),また,「公共嘱託登記司法書士協会の課題と展望」法政研究(九大)72巻3号(河内教授・清水教授還暦祝賀論文集,平成18年1月)251頁(709頁)〜300頁(758頁)において,その問題点を検討した。 (3)筆界特定 さらに,平成17年4月13日法律第29号「不動産登記法等の一部を改正する法律」により,新法をさらに改正して創設された筆界特定制度に関しては,「新不動産登記法に関する平成17年改正」市民と法34号(平成17年8月)28頁〜48頁を公表して,その問題点を検討し,平成17年10月15日に東北大学工学部において開催された(社)日本不動産学会シンポジウム「土地基本法情報整備の新たな段階-平成地籍整備と境界-」において報告を行った(司会・小柳春一郎独協大学教授,報告・七戸,南城正剛土地家屋調査士,沖和尚国土交通省国土調査課課長補佐,清水英範東京大学教授)。 (4)現在進行中の研究 (1)新「不動産登記法」に関する日本で最も詳細なコンメンタール(弘文堂)の刊行,(2)平成18年7月2日に予定している新「不動産登記法」シンポジウムのほか,実体法に関しても,(3)新「民法」および新「不動産登記法」に対応した物権法教科書の執筆に向けた準備を行った。
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