平成19年度は、まず、申請者のドイツと日本のコーポレート・ガバナンス研究の集大成とも言うべき単著を商事法務から発表した。また、日本の平成17年会社法下での、コーポレート・ガバナンスの現状について、ドイツの一流雑誌であるAktiengesellschaft(AG)に分析検討するドイツ語論文を発表した。本論分は、世界的にも最先端の規制様式を導入しているわが国の平成17年度会社法のコーポレート・ガバナンスの規制についてドイツ語で書かれた最初の論文である。また、日本の会社法下でのコーポレート・ガバナンスの実態を分析する英語論文を、Zeitschrift fur Japanisches Recht/Jouranal of Japanese Lawに発表した。本論文は、株主総会白書などの実態調査を基に、わが国のコーポレート・ガバナンスの実態を世界に知らせる近年にない貴重な英語論文となっている。さらに、コーポレート・ガバナンス関係の重要判例を含むわが国の会社法判例の研究を行った英語論文を、Eiji Takahashi/Tatsuya Sakamoto、 Japanese Corporate Law: Important Cases in 2006、 Zeitschrift fur Japanisches Recht/Jouranal of Japanese Law、 Nr./No. 24pp. 251-271(2007)として発表した。さらに、企業結合という局面におけるコーポレート・ガバナンスの問題を、「わが国における企業結合法制の現状と課題」という法学雑誌に発表した論文は取り扱った。これらをはじめとする長年のコーポレート・ガバナンス研究を中心とした比較法研究が認められ、2007年8月の会員選挙により、比較法国際アカデミー(ACADEMIE INTERNATIONALE DE DROIT COMPARE)准会員(associate member)に選出された。
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