本研究の主たる目的は、ファイナンス理論について、「法と経済学」の立場から学際的かつ実証的研究を行うことであり、今年度は平成17年度、平成18年度に引き続き、以下のような研究を遂行し、実績を上げた。ます本研究の特色の1は、学際的研究であって、ファイナンスに関する、経済学、金融論、証券取引法(金融商品取引法)、商法(会社法)のみならず、刑法、税法、銀行法、独禁法、一般的なマクロ経済学、ミクロ経済学等との学際的研究を行うことである。そのために本年度は、前年度に引き続き、これまで以上の文献の収集とその読み込みを行い理解を深めた。 さらに本研究の第2の特色は、実証研究であり、単なるデーターの収集、第2次的な文献の収集のみならず、広くファイナンスに関する実証的な研究を行うものである。そのため、本年度も昨年度に引き続き、時間の許す限りファイナンスに関する関係者(会社の実務担当者)、証券取引所、証券業協会、法曹、公認会計士、税理士、等に対する面接調査を行い、あるいは各種の統計資料等を収集した。なおこれに関して今年度は証券取引法が金融商品取引法に改正されるなど、ファイナンス理論の「法と経済学」的研究にも大きな影響を与えるものと考えられる。既に実務の運用において大きな影響が出現しつつあるように見えるのでさらに「法と経済学」的側面から詳細に検討してみたい。なお以下の研究実績においては広い意味でのファイナンス理論の「法と経済学」的研究の成果の一部を章かにしえたと思う。
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