本研究は、ファイナンス理論を「法と経済学」的見地から総合的、すなわち学際的かつ実務的に研究するものである。ファイナンス理論の研究分野は、基本的に経済学と法学、会計学が交錯する分野であり、学際的な研究が不可欠である。具体的な研究方法は、隣接の各分野にわたって他面的に検討を加えるものである。まず法学的には、会社法はもとより商法、民法、金融商品取引法、租税法とファイナンスに関連する法制の研究を行う。経済学分野では、ミクロ経済学に関連する狭義のファイナンス理論を分析するとともに、広義のマクロ、ミクロ両側面から経済学の研究を行う。さらに会計学的側面からは、最新の金融商品会計を初めとするファイナンスに関連する金融商品の会計処理方法等を研究するものである。最後にこれら各分野の研究成果をまとめ、ファイナンス理論を「法と経済学」的に研究を行う。他方でそのような理論面だけでなく、ファイナンスに実際に携わっている実務家等から有益な示唆を仰ぎ理論構築の際に示唆を得ることとする5。最終的にはこのような理論面、実務面の研究成果をまとめてファイナンス理論の「法と経済学」的研究に関する提言を行いたい。
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