最終年度の作業として、まず1986年から2005年までの総選挙についての選挙公約データの作成に全力をあげた。その結果、現在、1986年以降の衆議院総選挙の主要候補者全員について、テキスト入力をほぼ完成させることができた(一部、全文入力形式になっていないもの、チェック作業が終了していないものがある)。また、1990年から2005年について、ほぼコーディング作業を終え、公約単位のデータを完成させた。同時に、データ作りの進捗に応じ一部、分析作業に取り組んだ。具体的には、第一に、公約データを候補者単位に再集計し、それを元に、政治家が選挙公約によって表現する政策空間について、それを規定する政策軸を主成分分析を用いて、年度毎および期間を通じ、抽出・解釈する作業に取り組んでいる。第二に、政策レベルの分析として、教育政策に関する選挙公約について、内容を特定し抽出したキーワードによって、整理・分類を試みている。以上の分析結果については、鋭意、最終成果報告書に盛り込めるよう、努めている。 また、最終年度には、2003年総選挙データについて分析を行っている他の研究者と積極的に相互利用や意見交換に努め、その結果、選挙公約に対する有権者の反応を分析する新しい試みとして政策ナビゲーションシステムをWEB上に公開することができた。今後は、引き続き、分析を進めるとともに、余力があれば、データ公開に備え試験的にPDFによる選挙公報の画像保存やテキストのデータベース化にも取り組みたい。
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