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2006 年度 研究成果報告書概要

集団的意思決定過程における「政治脳」の進化

研究課題

研究課題/領域番号 17530117
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 政治学
研究機関早稲田大学

研究代表者

森川 友義  早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (60329159)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
キーワード政治脳 / 進化政治学 / 社会的ジレンマ
研究概要

公共選択理論やゲーム理論に基づいて政治に関する仮説をたてる場合、人間は経済的利益を追求する利己的な動物との前提条件を付するのが一般的である。しかし、複数の人間の自己利益と公共利益が並存するような「社会的ジレンマ」等の研究で分かってきたことは、人間は必ずしも自己の利益を追求するばかりではなく、自己を犠牲にしてまでも協力関係を築く可能性があるというということである。研究者の間では、このような人間は例外的としてとらえられてきた経緯がある。
しかしながら、本研究では、このような協力的な人間が存在するという至近メカニズム(proximate mechanism)における事実を進化過程にまでさかのぼった根源的メカニズム(ultimate mechanism)からしたところ、条件が整えば、むしろ人間の進化過程では、遺伝子に組み込まれた資質として存在することができることを、数学的手法とシミュレーションを用いて検証した。
その条件とは、(1)囚人のジレンマでは、通常の二択ではなく、ゲームに参加しないという選択を持つこと、(2)うそをつく能力を持つこと、(3)うそを見抜く能力を持つこと、(4)できれば、タカ派ハト派ゲームやゼロサムゲームといった別のゲームの選択肢が存在すること、であり、このような条件のもとに2万世代でどのように進化してきたのかについてコンピューターシミュレーションを行って検証したところ、うそをつく能力とうそを見抜く能力は拮抗しつつも、協力関係を促す遺伝子は確実に増殖することを発見した。
この二年間に著者の関心は、政治脳へのシミュレーションアプローチから、紛争における自己犠牲の可能性、政治知識と政治脳の関係、男女間の配偶者選択における政治脳の可能性と広がった。特に現在の世界情勢を見るとき、紛争地域における自爆テロは頻繁に発生しており、おそらく遺伝子レベルにおいて戦争状態における自己犠牲の傾向がみられる点における関心が強くなってきている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Chapte 3 Evolutionary Psychology and a More Satisfactory Model of Human Ageney2007

    • 著者名/発表者名
      James Hanley, Jason Hartwig, John Orbell, Tomonori Morikawa
    • 雑誌名

      Cooperation: The Political Psychology of Effective Human Interaction Edited by Brandon A. Sullivan, Mark Snyder, and John L. Sulivan. Blackwell Publishing

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 有権者の政治知識に関する実証分析-その分布と形成に関する一考察-2005

    • 著者名/発表者名
      森川 友義, 他
    • 雑誌名

      選挙学会紀要 5

      ページ: 61-77

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Distribution and Formation of Voter's Political Knowledge in Japan: An Empirical Analysis.2005

    • 著者名/発表者名
      Tomonori Morikawa , Masahisa Endo
    • 雑誌名

      The Japan Election Studies Association No.5

      ページ: 61-77

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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