研究概要 |
3年間にわたるプロジェクトの最終年度となる本年は。これまでの成果のとりまとあにはいった。本プロジェクトの趣旨である戦間期日本における植民政策学が、どのような歴史的展開を示したかを明らかにするとともに、戦後の国際関係論研究へその遺産がいかなる形で継承されているかを再検討した。これらの作業をさらに、近代日本の国際秩序論の巨視的構図のなかに位置づけることで、実行力をもたせるように努めた。その成果が、『近代日本の国際秩序論』という著書である。同書は近代日本の国際秩序論の展開を主従国際間関係からなる狭義の「国際秩序」と帝国的関係からなる「帝国秩序」の議会的講座から分析し、あれせて、戦後への展望を明らかにしたものである。また、同書の趣旨を要的したものとして、『レヴァイアサン』誌に、「国際秩序論と近代日本研究を掲載し,本プロジェクトが近代日本政活研究に持つ意義について触れた。また、欧州国際政活史・日本外交史の書評論文を執筆し、比較の視座を持たせるようにつとめた。さらに、日本政活学会において「戦後日本の保守主義-持続と変容」という報告をおこない、その一部で、戦前、戦中期の国際秩序論への戦後はおける継承関係の意味を述べた。
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