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2006 年度 研究成果報告書概要

グローバル・ガバナンスにおけるマルチ・ステイクホルダー・アプローチの有効性

研究課題

研究課題/領域番号 17530132
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 国際関係論
研究機関首都大学東京

研究代表者

山田 高敬  首都大学東京, 都市教養学部法学系, 教授 (00247602)

研究期間 (年度) 2005 – 2006
キーワードグローバル・ガバナンス / 市民社会 / 持続可能な開発 / 国際組織 / 世界銀行 / 世界ダム委員会
研究概要

17年度には、「人間の安全保障」をめぐるグローバル・ガバナンスに関する文献サーベイおよび、環境保護と開発援助が交錯する「持続可能な開発」の領域におけるマルチ・ステイクホルダー・アプローチ(MSA)の事例に関するサーベイを実施し、分析すべき事例を特定化した。その上で、MSAの典型的な事例として世界ダム委員会(WCD)を取り上げ、WCDプロセスの目的、WCDと各国政府ならびに世界銀行との関係、そしてWCDプロセスの正統性などに関して、世界銀行の担当者から聴き取り調査を実施した。さらに、18年度には、前年度に引き続き、「持続可能な開発」に関してMSAが使われた事例として国連環境計画(UNEP)のダム開発プロジェクト(DDP)を取り上げ、DDPの目的と成果に関して、これまで世界銀行の代表としてDDPプロセスに参加してきた担当者から聴き取り調査を実施した。
本研究からは、以下の点が明らかになった。第1に、グローバル・ガバナンスの実践の様々な場面において、MSAを採用するマルチセクトラルなネットワークが存在することを確認できた。代表的なものとしては、採掘産業に関するものと、大型ダムに関するものがあった。第2に、MSAは国際組織の組織変化のプロセスの中で採用される傾向が見られた。とりわけ世界銀行は、国境を超えて連携する市民社会組織から成る「下からのトランスナショナリズム」に応えようとして、MSAを採用した。第3に、この実証分析から世界銀行の二面性も明らかにされた。世界銀行は、一方において、環境規範および人権規範を自己の政策に反映させ、ガイドラインの作成、インスペクション・パネルの設置および社会・環境政策の「主流化」に力を入れたが、他方では、企業や各国政府による自主的な規制を重視する立場を貫いた。以上の点から、MSAの強みは、知識や規範を異なるステイクホルダーに共有させることにあり、拘束力を持つ実効的なルールを形成することにはないことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 共振する二つのトランスナショナリズムと世界銀行の組織変化2007

    • 著者名/発表者名
      山田 高敬
    • 雑誌名

      国際政治 第147号

      ページ: 78-94

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Two Mutually Resonating Transnational Networks and the Organizational Change of the World Bank2007

    • 著者名/発表者名
      Yamada, Takahiro
    • 雑誌名

      International Relations Vol.147

      ページ: 78-94

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] グローバル社会の国際関係論2006

    • 著者名/発表者名
      山田高敬, 大矢根聡
    • 総ページ数
      279
    • 出版者
      有斐閣
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-27  

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