研究概要 |
平成19年度は,平成17年度からの3年間の本研究の集大成を図るために,新自由主義グローバリゼーションに対する民衆の抗議運動,とくにNGO社会運動体の連携に注目するとともに,民衆の開かれた討議の場である世界社会フォーラムの意義について検討を行った。これまで参加した世界社会フォーラムで収集したデータおよび文献をもとに分析してみると,NGOと社会運動体との問には大きな亀裂があり,その関係は,地域(アフリカ,アジア,ラテンアメリカ,先進諸国)によって大きな差があることがわかった,また,7年目を迎えた世界社会フォーラムは,運動としてのあり方,商業化,NGOと社会運動体との関係など,重要な問題を抱え,転機にさしかかっていることも明らかになった。 このような分析結果については,論文「「マルチチュード」が創る開かれた空間〜第7回世界社会フォーラムの光と影」『接続Vol.7』にまとめるとともに,「日本平和学会2007年度春季研究大会,平和と市民分科会」(2007年6月10日)において「オルタ・グローバリゼーション運動の行方〜世界社会フォーラムはどこへ向うのか」という題目で発表を行った。また,国際政治学会第49回年次大会(49th Annual Convention of the International Studies Association)でも"Alter-Globalization Movement at the Crossroads"というテーマで研究発表を行い(2008年3月25日),他の研究者とも意見交換を行った。
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